救急車のサイレンでおなじみの「ドップラー効果」。講座では、この身近な現象を入り口にして、「波の性質」が遥か彼方の宇宙観測においてどれほど重要な鍵となるのかを、実験と理論の両面から探究します。
講座の中心となるテーマは、宇宙最古の光「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」です。CMBにわずかに残る「温度ゆらぎ(温度異方性)」を解析することで、宇宙に存在するダークマターの量や、宇宙の膨張を加速させるダークエネルギーの性質がなぜ分かるのかという、その驚きの仕組みに迫ります。
さらに、現在の宇宙論研究における重要課題である「CMB偏光観測」にも踏み込みます。光の偏光パターンから現れる「Eモード」、そして宇宙誕生直後の『インフレーション(急激な膨張)』の痕跡を探る渦巻き状の「Bモード」など、CMB偏光観測の重要なポイントを、その面白さを余すことなくご紹介します。
主催:名古屋大学素粒子宇宙起源研究所、名古屋市科学館