夜の帳が降りるころ、踊り初そむるは魅惑の光。
江戸の宵闇に訪れるもの、それは魅惑的な光の舞台。電気もガスもない江戸時代の闇は、まさに漆黒。それゆえに「光」はひときわ美しく暮らしの刻ときを彩りました。人々は幻想的な蝋燭ろうそくや月の光のもとで互いの気配や香りをたよりに心を通わせ、闇に広がる花火に熱狂し、赤々と揺らぐ炎に魔を払う力を信じて導きの道具としました。また静謐せいひつな空間は自己と向き合う時間を豊かにし、江戸文化の美的感性を育んだのです。
本展では夜に輝く月や星、松明たいまつや篝火かがりび、怪しく揺ゆらぐ狐火に乱反射が美しい雲母きら摺の技など、江戸時代の闇を美しく貫く光の正体を歌川広重作品とともに探します。さらには、文明開化で暮らしが様変わりしてゆく明治の光を捉えた小林清親こばやしきよちかの作品も紹介します。闇は光を呼び、光は闇を美しくする。光に心を寄せて闇夜を楽しむ魅惑のひととき、はじまりはじまり。
今宵心を奪われた、あなたにとっての光とは?
ぜひ、この機会に貨幣・浮世絵ミュージアムへのご来館をお待ちしております。
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