カナダのロッキー山脈中に位置するバージェス頁岩は世界でも珍しい、極めて保存状態の良いカンブリア紀の化石が見つかる化石産地です。アノマロカリスやハルキゲニアといった「カンブリアン・モンスター」とも呼ばれる奇妙な姿をした動物の化石が見つかることで知られていますが、それらは現在生きている動物につながる動物が化石記録に現れ、多様化した「カンブリア爆発」現象を象徴する重要な化石です。
バージェス頁岩の研究は100年以上の歴史がありますが、現在でもロイヤル・オンタリオ博物館によって多くの化石が発掘されており、次々に新種も発表されています。そして、それらの化石を使って動物の初期の進化史を明らかにしようとする研究も日々進んでいます。本講演ではそんなバージェス頁岩の発掘調査の様子や最新研究を紹介します。